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南京錠の特徴

知識・ノウハウ
2020.7.14

意外と知らない「南京錠」 その用途や特性は?

「カギ」というと、玄関ドアに挿す鍵と並んでイメージされることが多いのが「南京錠」ではないでしょうか。セキュリティや安全・安心といった抽象的なアイコンやシンボルマークとして目にする機会も多いかと思います。南京錠というと、「昔ながら」なアイテムと思われる方もいるかもしれませんが、侮ってはいけません。シンプルだからこそ持つ高い機能面の信頼性と使い勝手の良さは、現代に至るまでの長い歴史が物語っています。今回はそんな南京錠の基本と使い道を改めてご紹介します。

南京錠の基本知識

本題に入る前に、どうしても気になるのが「南京錠」という名前でしょう。南京、今でいう中国で発明されたと誤解されそうですが、紀元前500年頃の古代ローマではすでに使われていた形跡があり、必ずしも中国発祥というわけではないようです。かつて日本では海外から入ってきためずらしいものの多くに、地勢的な原因があると思われますが、中国を意味する「南京」という名称を付けることが定番でもありました。落花生のことである「南京豆」はじつは米国から、かぼちゃを意味する「南京」はカンボジアから伝わった(カンボジアからかぼちゃへの転訛という説も…)といわれています。つまり、南京錠は、海外から伝わった鍵という意味で、その名がついたと想像できます。

南京錠は、本体、掛け金に加え、鍵やダイヤルを使う錠前機構から構成されています。掛け金は多くがU字形の金属となっており、それを引っ掛けることで使用します。 つまり、南京錠は、古来より基本的な構造は変わっていないということです。
【南京錠】「パドロック」とも呼ばれ、「持ち運び可能な錠前」を指す場合があります。
【掛け金】「シャックル」や「ツル」と呼ぶこともあります。(例:ツル長タイプなど)

実はいろいろなところで活躍している南京錠

実はいろいろなところで活躍している南京錠

南京錠の特長としては、なんといってもその使い勝手。機能的にもシンプルで比較的、誰にでも扱いやすいその構造と高い汎用性にあります。これらの特長を生かせる場所やシチュエーションにはどんなものがあるでしょう。

スーツケース・バッグに

身近なシーンとしては、出張や海外旅行などに使用するスーツケースやバッグではないでしょうか。利用シーンから、小型でダイヤル式の南京錠が人気。置き引きや盗難の防止にセキュリティワイヤーと組み合わせて使用されることも。防犯性を(視覚的にも)高める効果に加え、思いもよらずケースが開いて荷物が飛び出してしまうことを予防する“留め具”としての作用もあります。

郵便ポストやロッカーに

郵便ポストやロッカーには、ダイヤル式などの錠前がはじめから付いているものもありますが、別途、南京錠を取り付ける想定で取り付け用のホール等があるものも多くあります。
人が入れ代わり立ち代わり利用する学校やフィットネスジムなどのロッカーでは、取り回しが良い南京錠は打ってつけとなるケースが多く、施設を管理する側にもメリットになることもあります。

屋外の物置や門扉・フェンス

モノを一定期間保管する物置、望まない立ち入りを抑制するフェンスなどは、それほど頻繁に人が利用しないシーンになりやすいと思います。天候や人や車の往来など、さまざまな環境に晒されることになればなるほど、思わぬトラブルが起こりやすくなる可能性があります。フェンスやポールチェーン、物置やストッカーにも南京錠の取り付けホールが標準に備えられているものも多く、堅牢な留め具として使用することで、予期せず、チェーンが外れてしまったり、扉が開いてしまったりしてしまうリスクを軽減する作用が期待できます。

南京錠を選ぶ際のポイント

南京錠を選ぶ際のポイント

一口に南京錠といっても、形状も素材もさまざまあり、多種多様な製品が存在しています。
利用用途と設置場所によって、それに適した特性や機能を持った製品を選ぶことが重要になります。

素材(金属の特性)

南京錠の多くは、その製品を構成する素材が、そのまま特性となりやすい製品で、ほとんどが、鉄(鋼)やステンレス鋼、真鍮などの金属で構成され、それぞれの金属がもつ本来の特性に加え、加工方法などにより、重量や耐久性、耐食性などの製品特性がある程度決まってきます。例えば、「ステンレス鋼」は、特殊鋼の一種で、鉄やアルミに比べサビにくい耐食性に優れた素材。銅と亜鉛の合金である「真鍮(黄銅)」は、加工性に優れるため用途が広く、「いざというときには切る」という運用に適した素材です。

掛け金(ツル・シャックル)

南京錠は、掛け金(シャックル)と本体、それに錠前部分で構成されており、特殊なものを除き、基本的な本体形状・デザインは大きく変わりません。上でもご紹介したとおり、取り付ける部品(掛け金をかける穴など)から、シャックルの径(φ)やサイズが決まってきます。

施錠・解錠の方法(シリンダー)

大きく、キー(鍵)を使うタイプと、暗証番号を設定するダイヤル式に分かれます。一般的なドア等に付いている錠前と同様に、各メーカー・製品によって、使いやすさや信頼性、不正操作などに配慮された設計がされています。どちらの方式であっても単純な優劣があるわけではないので、利用する方の希望に合わせて選ぶことが大切です。

利用用途と設置場所に適した南京錠を

利用用途と設置場所に適した南京錠を

今回は、歴史ある南京錠をご紹介しました。古くから南京錠の基本設計やデザインが大きく変わっていないことからも、その使い勝手や有効性は折り紙付き。またその高いデザイン性は、多くのデザインモチーフにも採用されています。
南京錠は、このとおり、構成している素材によって、数多くの選択肢が存在します。繰り返しになりますが【利用用途と設置場所】をしっかりと考えた製品選びが大切です。ぜひ、ここでご紹介したことも参考にして、判断に困る場合は、鍵・セキュリティのプロに相談してみてください。

※「錠」と「鍵」の表記について
錠前(錠・ロック・lock)は、扉などに取り付けて締める金属、機械的または電子的な部品をいいます。鍵(かぎ・キー・key)は、錠前を施錠・解錠する(操作する)ための器具をいいます。ここでは便宜上、日常的な会話に合わせて、鍵と錠前をまとめて「鍵(かぎ)」と記載している場合があります。